筋力や筋量を高めるためには、「漸進的過負荷(プログレッシブオーバーロード)」が欠かせない。難しく聞こえるかもしれないが、要するに少しずつ負荷を高めながらトレーニングを続けるということだ。

しかし、漸進的過負荷をはじめとするトレーニング原則の多くは、一見すると複雑に見え、計算機やノートが必要になるほどデータ管理が面倒に思えることもある。気が遠くなるような道のりに、挑戦する前から圧倒されてしまう人も少なくないだろう。

だが、安心してほしい。今回紹介するプログレッション法(トレーニングの強度や難易度を段階的に上げていくための方法)は、所要時間わずか5分、行うのは1種目だけというシンプルな内容だ。

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長期間やり続けることさえできれば、筋力を高め、背中を大きくし、上腕二頭筋前腕を太くできる。さらに体組成そのものを大きく改善することも可能だ。

5分間懸垂メソッド

今回の種目は懸垂(プルアップ)のみだが、この方法は他の多くの種目でも応用が利く。

まず、懸垂ができる場所を見つける。たった5分のプロトコルのため、トレーニングの最初に取り入れても、最後に組み込んでもいい。費用対効果を最大化したければ、自宅用の懸垂バーを導入し、追加セッションとして実施してもいいだろう。

タイマーをスタート。毎分の開始時に懸垂を1回行う。これを5分間、計5ラウンド続ける。

毎分、テンポをコントロールした質の高い懸垂を1回ずつ完遂できるようになったら、次回は毎分2回に増やす。それも達成したら3回に増やす。

以上の要領で回数を増やしながら、週に2~3回、このプロトコルを実施する。必要な時間は5分だけだ。

懸垂の正しいやり方

実践例

  • セッション1:毎分1回の懸垂を5分間=計5回
  • セッション2:毎分2回の懸垂を5分間=計10回
  • セッション3:毎分3回の懸垂を5分間=計15回
  • 最終的に毎分10回を5分間、計50回の懸垂を目指す。

    自分に合った回数から始める

    必ずしも毎分1回から始める必要はない。まず試してみて、毎分3回でも5回でも、自分にとって無理のない回数から始めるといいだろう。

    設定回数で全5セットを完遂できないようなら、完遂可能な回数のままで継続しよう。停滞期を突破し、次の段階へと進む権利を得られるまでそれを続ける。単純明快で、運任せの要素は皆無だ。やるべきことは一つだけ。毎回のセッションで、5分間の作業を積み重ねることだ。

    開始時には毎分3回×5セットの計15回に苦戦していたという人でも、計50回に到達する頃には確実に、大きな変化を実感できるはずだ。鏡に映る姿も変わるが、神経系の適応に驚かされるだろう。

    懸垂と体組成の関係

    懸垂は背中や上腕二頭筋、前腕を同時に鍛えられる優れた自重種目だ。

    さらに、自分の体重を持ち上げるため、筋力だけでなく体組成の状態も結果に反映される。体脂肪が減れば体を引き上げやすくなり、筋力が向上すれば回数も増えるだろう。

    つまり懸垂回数の向上は、背中の発達、腕の筋肥大、握力の向上、体組成の改善といった複数の成果につながる指標でもある。

    5分間の積み重ねが大きな変化を生む

    開始当初は毎分3回×5セットでも苦戦するかもしれない。しかし週に2〜3回、5分間だけ継続していけば、懸垂回数は確実に伸びていく。そしてその頃には、背中や腕の見た目だけでなく、神経系の適応によるパフォーマンス向上も実感できるはずだ。

    わずか5分の習慣だが、その効果は決して小さくない。

    Source / Men's Health UK
    Translation / Kazuki Kimura
    ※この翻訳は抄訳である。